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コーヒー豆の生産地-エチオピア
エチオピア
国別の特徴
東アフリカに位置するコーヒーの原産国。
気候は標高によって違い低地は27℃から50℃と極めて暑いが、高地の年間平均気温は20℃ほどと涼しく過ごしやすい。高原地帯は年間降雨量が1,200㎜を超し、この豊富な降雨量がゆたかな植生をもたらしている。
農園で栽培されるコーヒーは全生産量の10〜15%程と少なく、約半分は庭先のコーヒー(ガーデンコーヒー)と呼ばれる農家が自宅周辺の狭い土地でほかの作物と共に栽培したものと言われる。残りは全くの自然林に自生しているものや、自然林に手を加えて栽培しているもの。
華やかな香りの高品質なコーヒーを生産する。伝統的に精製はナチュラルが多く、現在でも8割ほどを占めると言われる。
代表的な産地はハラー、ジマ、リム、シダモ、レケンプティ、イルガチェフェなど。
イルガチェフェ地域
南西部の南部諸民族州の中でも2,000mを超えるエリアに位置する。急斜面の森に覆われた丘陵地域で、地層が厚く肥沃な土壌はエチオピア随一の高品質コーヒーを生産するし、世界的に極めて高い人気を誇る。
エチオピアではイルガチェフェに限らず、自生した3,500種以上と言われる固有の品種の中から選抜されたものが栽培されているが、現地の農家も把握していない場合が多い。
イルガチェフェ地域の良質なコーヒーは桃、ブルーベリー、柑橘類、紅茶、ワインなど、精製方法の違いも含めると様々な特徴を持つものがある。
ゴティティ
ゴティティとはオロミア州との境界付近に位置するイルガチェフェ南東のバンコゴティティ地区にある精製工場(ウォッシングステーション)の名前。
小規模生産者が半数を占めるエチオピアでは、農家が収穫したコーヒーチェリーを所属している工場に運び、そこで一括で処理されることが多い。
高品質なコーヒーを栽培してもその後の精製でダメージを負ってしまう場合があるが、管理が行き届いたゴティティウォッシングステーションは非常に高いレベルでの処理をしている。最終段階の選別ではベルトコンベアで流れてくる生豆を一定の時間停止(2〜3分)している間に両脇にいる工員が選別を施し、欠点豆の混入率を低くしている。
精製はウォッシュト。ドライミルは国営ドライミルにて行う。
ウェットミル工程
- 【1】
- 発酵はタンクに水を張った状態で36~72時間行う。
水は毎日入れ替える。 - 【2】
- 水路にて洗浄と比重選別を施した後、ソーキング。
- 【3】
- アフリカンベッドにて一日陰干し。
- 【4】
- その後、直接日光下のアフリカンベッドで乾燥。
- 【5】
- 朝と夕方だけ日光にあて、陽射しが強い時間はジュートをかけて陰干しにする。雨除けのプラスチックシートも用意している。
ドライミル工程
- 【1】
- 脱穀
- 【2】
- 異物除去
- 【3】
- スクリーン選別
- 【4】
- 比重選別
- 【5】
- 電子選別
- 【6】
- ハンドピック
ウォテ
イルガチェフェ地域コンガ地区の精製工場。コンガ地区には複数のステーションがあり、それらは全てコンガステーションと呼ばれている。その為コンガステーションと言う名前で流通している商品は複数のステーションの物が混在している。このウォテはコンガの中のさらに狭いエリアの地名がそのまま工場名になっているステーションで精製された商品で、コンガ地区の中でも最高品質のロット。
精製はウォッシュトと、果肉をつけたまま乾燥工程に入るナチュラルを行っている。
ナチュラルの工程は次の通り。
- 【1】
- 農家から持ち込まれたコーヒーチェリーをハンドソーティング。
- 【2】
- 選別されたチェリーをアフリカンベッドで20日程度乾燥。乾燥中も手選別を施す。
※乾燥工程では1ベッドに4人ついてケアする。 - 【3】
- 脱穀
※ドライチェリーの重量の約半分は脱穀時に除去される部分であるため、脱穀してグリーンの状態にしたうえで国営ミルに運び、輸送の無駄を省く。
以後の工程はゴティティと同様にアジス・アベバの国営ドライミルにて行う。
デボ
コチェレウォレダのデボ地区にある精製工場。精製の工程はゴティティと同様。
コチェレとイルガチェフェは行政上では別に区分されるが、コーヒーの場合はコチェレ産物もイルガチェフェと呼称される。