インドネシア

インドネシア共和国

国別の特徴

東南アジア南部に位置し、大小約13,000もの島で構成される。
コーヒー生産高世界第3位ではあるが9割はインスタント等の加工用に使われるカネフォーラ種(ロブスタ)が占める。1908年のさび病の流行によりアラビカ種が壊滅的な打撃を受けたため病害に強いカネフォーラ種に切り替えられたのが大きな要因。
4,000mを超えるような高山も多く、その地域では大きな寒暖差があるため良質なアラビカ種のコーヒーも生産している。
ジャワ島、スマトラ島、スラウェシ島などが主な生産地で、特にスマトラ島で栽培される高品質な「マンデリン」は世界的に評価も高い。

スマトラ島

コーヒーを栽培しているのは主に北部。スマトラ島で生産されるアラビカ種のコーヒーの事を「マンデリン」と呼ぶが、この名前はこの地で栽培を進めた部族の名前に由来する。
実際はロブスタとの交雑種の栽培が多く高品質の物は少ないが「スマトラ式」と呼ばれる特殊な精製方法から生み出される香味は他に類を見ない独特な香味を持つ。
コーヒーは標高の高い高原地帯で栽培され、土壌が肥沃なため実質的な有機栽培をしている場合が多い。
高品質なマンデリンはトロピカルフルーツやチョコレート、バニラ、クレソンなどのハーブ、大地を思わせるふくよかさ、なめらかで強いコクなどの特徴がある。

LCFマンデリン

北スマトラ州にあるリントン・ニ・フタ村周辺の数十軒の指定農家から買い付けたLCF専用ロット。コーヒー栽培に適した気象条件と肥沃な土壌(腐葉土)が素晴らしいコーヒーを生み出す。スマトラ島は農園が少なく、小規模生産者が栽培したものを集荷業者が集める事が一般的で、またパーチメントではなく脱殻後の状態で乾燥させる「スマトラ式」と呼ばれる特殊な精製方法を採っているため最終的な出来上がりの安定性が低い。
LCFマンデリンは集荷業者に様々なリクエストをすることで安定性と高い品質を実現している。
主な違いは次の通り。

LCF
LCF

リーディングコーヒー
ファミリー

MUIはLCFというグループに加入しています。LCFは10年以上かけ世界各国の最高峰の農園、生産者と独占規約を結んでいます。

一般的なスマトラ式
【1】
農家にて収穫したチェリーの果肉を除去する。手回し果肉除去機(パルパー)が一般的。
【2】
パーチメントを水洗い(特に発酵槽等は使用しない単純な水洗い)。
【3】
仲買人がウェットパーチメントを集め集荷業者に引き渡す。
【4】
集荷業者にてウェットパーチメントを半日程度乾燥させ、その後、生乾きのまま脱穀。
【5】
取り出した未乾燥グリーンを乾燥。ビニールシート上が一般的。
【6】
仕上がったグリーンはメダンの輸出業者に納入され、選別後、輸出される。

この方法ではウェットパーチメント時の管理と乾燥設備に問題があり、品質の低下を招く可能性がある。
そこでLCFマンデリンは次のような工程を採用している。

LCFでの方式
【1】
上記1と同じ。農家にて収穫したチェリーの果肉を除去する。手回し果肉除去機(パルパー)を利用する。
【2】
上記2と同じ。パーチメント(果肉を除去した生豆)を水洗い(特に発酵槽等は使用しない単純な水洗い)をします。
【3】
仲買人が農家からウェットパーチメントを集め、その日の夜にメダンの 輸出業者に運ぶ。
【4】
輸出業者の網棚にて半日乾燥した後、脱穀。
【5】
網棚にてグリーンを乾燥。
【6】
選別工程を経て輸出

高地で冷涼な生産地から平地のメダンへ輸送する際にダメージを受ける事が考えられるためLCFマンデリンは、涼しい夜間に輸送する。尚かつ従来の産地精製と同様のスケジュールを維持しつつ、棚干しという整った設備で仕上げる事を実現している。これらは生豆への負荷を大きく低減させており品質の向上につながっている。

さらに、選別工程においても、いかに精度の高い選別を施すかに主眼を置いてリクエストしている。以前は選別を3回実施するトリプルハンドピックを採用していたが、まず一般工員による一次ハンドピックを施したものを、よりスキルレベルの高いスペシャリスト工員に通しブラッシュアップさせる手法を採用している。また、ここ数年は虫食いの被害が拡大しているため、3-4については虫食い被害の少ない原料を選択的に使用してもらうなど、選別工程以外から取り組んでもらっている。

メダンの街

メダンの街

メダンの街

メダンの街

コーヒーの木

コーヒーの木

LCF契約農家

LCF契約農家

果肉除去

果肉除去

ふるいでサイズ選別

ふるいでサイズ選別

アサラン乾燥

アサラン乾燥

二次選別担当の精鋭4人

二次選別担当の精鋭4人