美味しいコーヒーを飲むには

Muiの原点

「コーヒー」への違和感

子供のころから何となく飲んできたコーヒーですが、ちゃんと意識するようになったのは料理学校卒業後にカフェで働き始めたころ。
それまでは美味しいとか美味しくないとかはあまり考えず(と言うか期待せず)に飲んでいたように思いますが、仕事でやるからにはちゃんと美味しいものを出したいと思ったわけです。

ちょうど『バリスタ』という言葉が知られ始めた時期で、働いていたカフェにもエスプレッソマシンがありました。
淹れる人によって味が全然変わると聞いて、そういうものかとはじめは色々調べたり工夫したりして淹れていましたが、しばらくして出た結論は「どうやっても美味しくない…」でした。

幸い通っていた料理学校では良い素材を使った実習をしていたので、技術がなくても素材が良ければ一定以上の美味しさになることを実感していました。
そのおかげですぐに淹れ方ではなく素材でしょ、と当たり前のことに気が付けたわけです。

今と違ってコーヒーの情報が少ない時代だったので本屋でコーヒーの本を片っ端から読んで愕然としました。
だってどの本にも「コロンビアの味は~」なんて書いてあるんですよ。
お米で「日本の味はこれ」とか、ワインで「フランスの味」なんて言ったら「???」ですよね。
『国名』でひとくくりに出来るわけがありません。

そんな中、唯一「いつ、どこで、だれが、どうやって作ったか分からないものじゃ美味しいも何もないでしょ」と書いてあったのが前職『堀口珈琲』現会長の堀口さんの本でした。
このお店のコーヒーは他と違うんじゃないかと飲みに行ったらやっぱり美味しい。
コーヒー豆を買って、働いていた店でいつものように淹れてみたら、エスプレッソもびっくりするほど美味しい。
そりゃやっぱりそうだよねと感じたのと同時に、素材であるコーヒー豆への興味がさらに深まっていきました。

その後なんやかんやあって2005年に堀口珈琲に入社。
基礎からしっかりと学び、焙煎の責任者を務めた後2013年に独立しました。

ちなみに独立の際、それまで使っていたコーヒー豆に直接火の当たる『直火式』ではなく、あえて別のメーカーの『半熱風式』の焙煎機を購入しました。
「『直火式』と『半熱風式』で味や香りがちがう」と言う論争(?)があって、自分で試してみたかったというのが理由です。
実際どちらも使って分かったのは「どちらでも結果は変わらない」ということ。
操作の感覚や気を付けるポイントなどに多少の差はありますが、適切に扱えば結果に影響はありません。

コーヒーは素材がすべて

そんな話しはプロが知っていれば良いことなので、ここではそれ以上語りませんが、結局伝えたいことは『素材がすべて』ということ。 本当に良いコーヒーはただただ『美味しい飲み物』で、好みが分かれるような類のものではありません。

嗜好品であるコーヒーは飲まなくても何の問題もありませんが、Muiのコーヒーがあることで皆さんの生活が少し良いものになるんじゃないかな、と思っています。 コーヒーがお好きな方も、苦手な方も、ぜひ一度体験してみてください。

「美味しいコーヒーを飲むには」コンテンツ